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2007年6月14日 (木)

騒音創世記

Photo_5 漏れてくる音楽。

例えば電車の中。例えば店の中。

イヤホンなりヘッドホンなりからその人の聴いている音楽が微かに漏れてくる。

世間的にはマナー違反な行為だ。中にはわかっててやっている人もいるだろうが、大体の当事者は音が漏れていることを気づけていない。

だからその音で多くの人に迷惑がかかっていることにも気づけない。

でも悪そうなお兄さんがアイドルの曲なんかを聴いているとわかると、なんだか不思議と嬉しい気分になったりもする。

自分の好きなアーティストを聞いているとわかると、それだけでいい人に見えてくる。

もちろん逆のパターンもある。むしろそっちがほとんどだ。気分を害したり、嫌な人に見えたり。

でもこの音漏れってけっこう恥ずかしいことだよな。うん。

僕はプレイヤーに幾多の曲を入れている。

人に聞かれたら恥ずかしいアニソンから、人に聞いて欲しい名曲まで。

様々なジャンルの様々な曲が入っている。それをいかなる時もカバンの中に入れて持ち歩いている。

アニソン。はっきり言って隠してるよ。だってモテたいし。

みなさんもそうゆうものってないですか?自分は好きで好きでしょうがないのに世間の目を気にして隠してしまうもの。

もうなんだか爆弾を持ち歩いてる気分だ。

こいつがまた無意識のうちに鳴るんだ。きっとカバンの中の他の物にぶつかってボタンが押されてるんでしょう。しかも静かなときに限って。ホールドかけといたつもりなのに。

急いで止めます。

その曲がアニソンだと3倍速になります。そりゃもう急いで。

僕のプレイヤーは形が100円ライターにそっくりである。そしてまた本物の100円ライターもカバンの中に入っている。カバンの中を手探りで探すわけだが、焦るとどっちがどっちだかわからない。

静かなある室内。聞き覚えのあるアニソンが流れてくる。間違いない、僕のカバンの中からだ。一刻も早く止めなければ。どこだ。カバンの中を闇雲にひっかきまわす。あった。僕はそれを手に握り、カバンから手をひっこぬく。手にはライターが握られていた。僕はそんなとき癖の照れ隠しでニヤニヤしてしまう。なんて間抜けなんだ。ライター握り締めて一人でニヤニヤしてるよ。それでもアニソンは止まらない。みんなが僕を見ている気がする。アニソンに包まれている僕を。いや、そんな期待されても、これ、ただのライターですよ。ロボットも操縦できなければ、変身もできませんよ。

誰もそんなこと望んじゃいないって。

死んだ方がいいのかな。

僕は人前ではなるべく小さい音で聞くようにしている。音が漏れないように。

その代わり誰もいないところでは爆音。例えば電車の中では小さい音で聴き、降りた途端に爆音に引き上げる。そして駅から続く道をノリノリで歩く。これがまた気持ちいい。特に誰もいない夜道なんかは最高だ。耳元で演奏するアーティストたちと、つい一緒になって歌ってしまったりする。

ただ、ここでまた注意しなければいけないことがある。夜道誰もいないと思って歌っているときに限って人が通る法則だ。歌い続けるのは恥ずかしいし、歌うのやめるのも恥ずかしいし。どうすればいいって言うんだ。

誰もいないと思ったある日の夜道。僕は例のごとく気持ちよく歌っていた。そしてそのまま駐車場を通りかかったときのこと。たまっている、不良たちが。あーあ、人生終わったって思いました。だって僕ちょっとモノマネまでしてたし。あー、また僕ニヤニヤしてるよ。不良たち引いてるよ。なんとか無事にかえれたもののダメージは少なくなかったです。えぇ、もちろん心のです。

死んだ方がいいのかな。

本当にマナーは大事だと思う。人のためにも、そしてなにより自分のためにも。どんな名曲だって、とある条件下では台無しになる。社会という枠組みの中だ。自分が一人で生きているわけでは決してない。恥をかくまえに引き返せ。恥をかいていると気づける地点に引き返せ。僕のような失敗を見るのはもうたくさんだ。

ボリュームを上げすぎている人にはそんな僕の声も届かないのだろうか。

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