サンデーマンデー
それはそう、まるで死神の鎌のように。
ゆっくりと、でも確実に振り下ろされいる。そして僕はまだ、それに気づけないでいる。
カンカンカンカン!
けたたましい音が鳴り響く。もちろんその音は僕の耳にも入り、僕は少し迷った後、歩みを止めた。そうゆう時間帯なのか、周りには誰もいなかった。特別でもないその行動。ごく当たり前のその行動。夕飯何食べようかなぁ。そんなのんきなことを考えていた。そのときまでは。
それはそう、まるで死神の鎌のように。
ゆっくりと、でも確実に振り下ろされていた。そして僕はまだ、それに気づけないでいた。
カンカンカンカン。
そして、僕の頭に、踏み切りのバーが直撃した。
ガンッ!イッテキマ~ッス!
ひどく、鈍い衝撃が僕を襲った。そのときの感触を一言で言うならば、「埋まるかと思った」といったところか。愚鈍そうに見えて、優しそうな顔をして、やつは本気を出すと意外とすごい。あの衝撃は、僕の人生の中でもそうそう体験したことがあるものではなかった。
確かに僕は、行くんだか行かないんだか、という中途半端な位置に立っていた。この場合非があるのは、間違いなく僕であろう。その恨みは行き場もない。あの棒に当たった人がどれだけいるのかは知らないが、もし当たったことがある人がいれば、それだけ仲良くなれるぐらいの衝撃だった。
痛い。痛いというか、もうダメかもしれない。倒れそうだ。
「ねぇ、なんか映画借りてこようと思うんだけど、最近なんか面白いのある?」
そのとき、ふとなぜか、ババァの顔が頭をよぎった。おいおい、まさかこれが走馬灯ってやつか?・・・マジかよ。
「そうねぇ。崖の上のポニョなんてどう?」
「え?放尿?」
「ポニョだよ!ジブリに怒られるぞ!」
い、嫌だ!こんな最後は嫌だ!僕だって、僕にだってもっと楽しい思い出とかいろいろあったんだ!信じてくれ!女の子に優しくしてもらったこととかあるんだ!
いや、そうじゃない。今は過去を振り返っている場合じゃない。この場所から避難しなければ、本当に最後になってしまう。動かなければ。
今の僕は衝撃に抑え込まれ、その場で四つんばいになってうずくまっている。
立ちあがれない。足に来ている。そして何より、立ち上がったそのときに再び頭を棒にぶつけでもしたら、僕は完全に終わってしまうだろう。
j時間が、ない。とにかくここから脱出せねば。
僕はハイハイの姿勢で後ろずさる。これしか手段は考えられない。バックオーライ。シャカシャカ進む。進め、進め。生きるんだ。進め進め、乗り越えるんだ。
必死である。周りから見れば、かなり奇怪であったに違いない。ハイハイのバックで進むいい大人。しかし、この状況で冷静になれというほうが無理な話だ。生きるか死ぬかの間際だぞ。周りなんて、きにしている余裕はない。
そしてそのまま、僕は踏み切りの向かいの本屋へと入っていった。
「いらっしゃいっ・・・ませ・・・」
そこにきてようやく我に返った僕。どちらかといえば、このときのほうが死を間近に感じたのが正直なところだ。何事もなかったように立ち上がり、近くにあった雑誌を買って外に出た。あのときの店員の顔は一生忘れることはないだろう。
嘘であってほしい。ネタであって欲しい。何度もそう思った。
しかし、生まれて初めて買ったサンデーが、いつもいつでも僕を現実に引き戻し、そして奈落のそこに突き落とすのだ。
僕は、切ない。
【目標15位以内キープ。どんどんいきます。】
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コメント
はじめまして!ランキングからきました!
ハイハイで本屋に入る姿、想像したら笑いすぎて腹筋壊れるかと思いました。
また遊びにきます~。
投稿: ろく | 2009年5月 4日 (月) 12時35分
古紙回収の日に出しちゃいましょう
投稿: hiro | 2009年5月 5日 (火) 00時32分
踏切の破壊力ってそんなにすごいんですか。あたまより心をお大事に…
投稿: もち | 2009年5月 5日 (火) 15時27分
いつの間に更新再開してたんですね!
最近笑えるブログが少ないんですごく嬉しいです!待ってました!
投稿: | 2009年5月 6日 (水) 14時04分
痛そうだし可哀相だけど、ハイハイするの想像したらなんかかわいい☆
サンデー買っちゃうのもかわいいね(笑)
投稿: あゆ | 2009年5月 7日 (木) 00時54分
踏切の棒って案外重いんですよね…
投稿: unk | 2009年5月 7日 (木) 19時12分
ピクルの一撃並ですね!><
投稿: | 2009年5月14日 (木) 21時51分