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2011年7月

2011年7月11日 (月)

パンの話リターンズ

突然だけど、女の子に手作りのお菓子とかもらったことって、あります?

 

まぁちょっと自慢に聞こえたら申し訳ないんだけど。まぁ自慢じゃ自慢じゃないかで言ったら、完全に自慢なんだけど。あのね、そう。僕、女の子にチョコをもらったことがありまして。

 

本当はね、バレンタインデーの時期にこの話したかったんですけど。ほら、バレンタインデーの前って節分あるじゃん?そんときにさ、うちのババァが「鬼は外ー!外ー!」って、割と本気で豆ぶつけてくるわけ。多分、この子は痛みなど感じない、って思ってんだよね。もう狂気の沙汰。

 

まぁね、普段は恥ずかしくて言えないじゃないですか。「家から出てけお前」なんて、ねぇ?だからまぁ、ここぞとばかりに節分は、豆と一緒に、心暖まるメッセージをぶっ込んでくるんですよ。お前は鬼じゃ!鬼ノ子じゃ!邪・破!っつって。

 

もうね、言わないよ?言わないけど、それが意外と滅法へこむ。「出て行かないよー♪」とか言いながらね、心の中はさめざめ。俺、ここしか居場所ないんだけど…って。でもやっぱり、ここにいちゃいけないのかな…って。だから復活するまでにちょいと時間がかかるんでね、書けなかったっていう。っていう言い訳。

 

いや、それはどうでもいいんですけど。それでチョコもらった話ですよ。いや、今でも鮮明に覚えてます。あれは、紛れもない青春の1ページでした。

 

(回想シーン)
ミーンミンミン…ミーンミンミン…

 

違うわ、あれ冬だわ。ごめん、セミ出てこないタイプの回想シーン、あんまりやったことなくって。そうそう、冬でした。

 

僕が通っていた学校は、体育館がたしか7階とかで。だからね、マンガに出てくるような「体育館裏」というものがない。「体育館前」だったんですよね。それに当たる場所が。

 

それで僕が呼び出されたのも、この体育館前。人がほとんどいないんですよ。早朝とか、放課後とかはとくに。だから、まぁ告白とかには打ってつけの場所で。「告白するならココ!」って、るるぶに載ってそうなぐらい、素敵スポットだったんです。

 

もちろんね、わかってました。わかってたって言うか、意識はしてた。そりゃあね、バレンタイン。そこで呼び出されたら、答えはひとつしかない。いざ行ったらまさかの由紀さおりがいて「今テノール探してんだけど、どう?」なんて言われることもないでしょうに。

 

まぁ前日、とある女の子とメールをしてたんですよ。クラスは違うけど、割と仲良くしてくれてた子で。「明日の放課後、体育館前に来てくれないかな?」って。シンプルだけど、濃いメール。だから、相手も何が起こるかもわかってはいたんですけど。

 

それでも緊張するねー。何あれ?心臓から口が飛び出すかと思ったもん。先着いて待ってたんだけど、膝なんかもうガックガク。これ発電に利用できないかしらってぐらい、上下運動かましてた。あの姿先生に見つかってたら、多分一発で退学だった。

 

で、女の子が来ました。最初はね、ドッキリも疑ったんだ。でも、それならそれでいいと。そしたらわしゃピエロにもなり切るぞと。でもね、そんな雰囲気じゃなかった。周りをよーく見回したけど、怪しい人影もなかった。ガチだったんですね。もう今では直視できないぐらいの、正真正銘の青春だった。

 

「急にごめんね」ってその子が言って。
「いいよ、どうしたの?」って僕が言って。

 

空気がものすごく重くて。

 

「これ、作ったんだ」ってその子が言って。
「え、何?」って僕が言って。

 

ちょうど夕日が射してきて、それはもう、怖いぐらいに綺麗だった。

 

包みを持つ女の子の小さな手がね、震えてたんです。お互いの緊張が伝わって、それがまた緊張を生む。その緊張感は決して嫌なものじゃなかったんだけど、誰かに見られるのが恥ずかしかったから。僕はすぐに手を広げ、その包みを受け取ろうとしました。

 

いやー。しかしその瞬間は、さすがに我が目を疑ったね。なんで気付かなかったのか、不思議でしょうがない。

 

自分の手にね、マジックで大きく書いてあったの。「尿検査」って。「尿」って。

 

…そういや、忘れないようにしたなーと。数時間前に、明日提出の尿検査忘れないように、手にメモしたなーと。あぁ…と。

 

チョコを受け取ろうとして出した手だからね、そりゃ視線もそこに集まりますよ。だってその子も「に…?」って言ったからね。すげー小ちゃい声だったけど、聞き逃さなかったから。これもう絶対見られてるよね。だって、そのシーンで「に」で始まるセリフなんて、まず出てこないから。

 

もうね、ふざけんなと。何台無しにしてくれてんだと。尿検査なんか忘れていい。そんなもん提出しなくたっていい。それよりよっぽど大事なものが、目の前にあっただろうと。本当にねー、これは救いようがないわ。それでいて尿検査も、タンパクおりて再検査だったしね。

 

今思えば、ですよ?今思えば、もしかしてそこで女の子に告白された可能性だってあったわけですよ。学生時代が一変していた可能性もあったわけ。そんなシーンにね、うっかり「尿検査」持ち込んじゃったあたい。月9の最終回で「尿検査」ってテロップは出ないよ、さすがに。そりゃ気持ちも削がれますよね。そう考えると、大変申し訳ないことをしたなぁと。その子と、今の僕に。「あ、あの頃に戻りたい!」って声を大にして言えますね。

 

あ、あと、印象深かったのがパン。とある女の子の手作りパンを食べる機会があって。ほら、みんな好きでしょ、パンの話。まぁ僕のパンの引き出しって言ったら、その話と「マヨコーンパン」がカバンの中で爆発したって話しかないんだけど、その前者。大学時代の話です。

 

まずね、パンを自分で作れるってこと自体衝撃だったんですよ。自分でも料理できないし、母親に得意料理聞いたら「麦茶」って答えるような環境で育ってきたから。パンはパン屋さんだろうと。それはプロの技だろうと。

 

でもね、同級生の料理が得意って子が言うんですよ。「よく自分でパン作るよー」って。「いやいや、いくら料理が得意でも、さすがにパンは作れないでしょ」と。「パン作れたらテレビ出れるでしょ」と。多分パン作れてもテレビには出られないんだけど。まぁそんなこんながあって「じゃあもし今度作ったら食べさせてよ」って話になったんです。

 

で、もうそんな話をしたことすら忘れた秋口の候。大学内でその女の子から「パン、作ったよー^^」とのお声がけがありました。「そういやそんなことも言ったなー」なんて考えてたんですけど、そこからね、あれよあれよと謎の容器からパンが登場。 

 

いやね、これが確かにパンなんですよ。どっからどう見ても。なんかね、表面にチョコみたいのがかかった可愛いやつ。で、中にもチョコチップが入ってると。「へーすごいじゃん!ホントにパンじゃん!」って。「チョコも手作りなの?凄くない?」って。

 

持ってみたらね、まぁ意外とズッシリしてるんです。それでいてシットリもしてて。いい具合に、パンしてる。まぁまぁこちとら女の子の手料理?まぁそんな感じのものを食べ慣れてないわけでさ、覚えててくれて、作ってきてくれて、そりゃ嬉しい。だからいつもの丁度倍テンション高めに「いただきまーす!」って口の中に放り込んだんですけど。ドキドキしながら。

 

いや、多分美味しいんだと思う。でも、なんだろうな。これ、本当に人用であってる?犬が歯かゆいときに使うやつじゃない?

 

硬いんですよすげー硬い。パンの表現って大体「モチっ」とか「フワっ」あたりで落ち着くと思うんだけど、そのとき食べたパンは少なくとも「ガ行」で始まる食感だった。 

うーんと、これ、本当にパンかな?レシピ見てるつもりが、うっかり『10分でわかる錬金術』見てたとかってことない?これ、確かコナンのなんかの話で凶器として使われてなかった?

 

あー、違うわ。これチョコだ。パンじゃなくて、中のチョコが超絶硬いんだ。

 

そうなんです、中のチョコがまぁ硬い。それもね、開けてビックリすごい量入ってて。無視できぬ存在感。あのね、僕一回ちょっとした事故で前歯折ったことあるんですよ。だからね、こう見えて前歯の耐久度に関しては結構知識が深いんですけど。そのときは「あと2噛みでイキます」って信号出ちゃってた。本能レベルで、やめとけと。

 

でも、さすがにここで残すわけにもいかないじゃないですか。こっちが食べたいって言って、わざわざ作ってきてもらって。それでいて「硬くて食べれない」なんて言うのはあまりにも無粋。女子から嫌われるのもまぁ怖いお年頃ですからね。だから前歯だけに負担かけないように、慎重に慎重に咀嚼して。「兄さん。俺、まだいけますよ!」「奥歯…!」「ふん、しょうがねぇなぁ。そんな顔されたらほっとけねぇだろ」「犬歯…!」なんてやりとりを脳内で繰り広げて。大体5分ぐらいかな。やっとのことでやつを無事胃の中におさめることに成功しました。

 

僕「あー美味しかった!本当に料理上手なんだね、ごちそうさま!」
女の子「ホント!?よかったー!まだまだあるからドンドン食べて(笑)」

 

もしピッコロと飲みにいったら多分ね、「フリーザが『あと2回変身残してる』って言ったときの絶望感って言ったら、もう」みたいなことを語り出すと思うの。したら俺もその話に乗っかるんだ。「いやーわかるわー、実は俺もさぁ…」って。「硬いパンがドンドンさぁ…」って。で、友達になる。それぐらいの膝から崩れ落ちたい感じ。

 

でもね、かといって、ほかの友達に食べさせるのも悔しいんですよ。これがね、コンビニのパンとかだったらガンガン巻き込む。「おーい。これ美味しいよ、ちょっと食べてみ?」「ありがと…かたっ!」「あははー」って流れを楽しむ。でもね、これちょっと硬いけど、女の子の手作りなんですよ。「女の子が俺のために作ってくれたパン」っていうブランド。周り巻き込んだら楽にはなるけど、大切な何かを失ってしまう気がして。ね、キショいでしょ。

 

だから、「マジ!?じゃあ、いただきます(ニッコシ)」って。言っちゃった。

 

もうね、2つ目ともなると、さっきまで優しかった歯も俄然冷たい。「自分、爪ですから」とか嘘ついちゃってる。でもまぁ、自分を騙し騙しそのパン食べまして。なんとかね、無事2つ目も完食したんです。しかし、さすがにここでストップだなと。これ以上は体がもたないなと。ほんと、せっかく作ってきてくれたのに悪いんですけどね。ごちそうさまです。

 

僕「うん、美味しい…!でも、ちょっとお腹いっぱいになっちゃったかも…(虫の息)」
女の子「そっかぁ、ほかに食べてくれる人いるかな?あ、◯◯君だ!おーい、◯◯く」
僕「ま、待って!もう1個!もう1個いける!
女の子「…え?そ、そう?」

 

まぁ、結論から言うとね、その後もそんな調子で計6個(全部)食べました。
そして数時間後、茶色いゲロを吐きました

 

いやービックリしたなー。数時間経ってるのに、チョコ全然消化されてなかった。あの頃と全然変らないから、すぐわかったもん。凛としてた。自宅のトイレで吐いたんだけど、本当、流れてくれたのが奇跡に近い。いやー今思い出してもヒドいんですけどね、まぁまぁ今となってはそれも良い思い出ですよ。

 

でね、その話を昨日彼女にしたんですよ。そしたら

 

「そうだったの?(笑)でも、あの時全部食べてくれて本当に嬉しかった///」

 

って。それ聞いたときは、ホントあの時、無理してよかったなって思いましたね。で、なんとなくね「愛してるよ」って言ったら、突然彼女が泣き出しちゃって。いやー、なんだかなぁ。でも、その涙ならあのチョコも溶かせたかな、なんてね。そう、これが僕らの「パンの話」です。


 

まぁ、彼女が泣いたのは嘘なんですけど、「愛してるよ」って言ったのは嘘。でも、付き合ったのは本当に嘘。ゲロ吐いたのは本当。これが噂の「パンの話」。

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