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2011年9月

2011年9月26日 (月)

上京、そして…

先日、久しぶりに新幹線に乗りまして。ちょっとばかり用事があって、神戸まで行ってきたんですけど。 

 

いやー、新幹線っていいですね。快適快適。速いし、あれだし、速いし。あっという間に目的地まで着いちゃって。で、次の日、まぁ用も済んだし東京に帰りますかってことで。そう、帰りの新幹線のことなんですけど。 

 

あの、新幹線の座席って、デフォルトだと直角じゃないですか。座席と背もたれが。ゲーセンで脱衣麻雀やってる中学生ぐらい姿勢よくなるでしょ。

 

いや、さっきは「あっという間」とか言ってたけど、実際そんなわけなくて。3時間とかね、それぐらいは乗ってるわけですよ。そうなると、この直角がまぁまぁ辛くなってくる。だからね、倒したいの。席を。席を力づくで押し倒したいの。

 

いつも席を倒すときは「ちょっと倒しても大丈夫ですか?」って聞くんですよ。後ろの人に。すいませんって。うん、行きもそうしてね。だから、帰りもそうしようと思ったんですけど。聞こうと思ったんですけど。

 

なんかね、寝てるんだ。後ろの人。まぁ寝てるのはいいんだけど。

 

なんかね、怖いんだ。「どこから来たんですか?」って聞いたら、多分低い声で「コロッセオ」って答える。「ご職業は?」って聞いたら、多分不器用に「夜叉猿」って答える。首筋に、綺麗な牡丹咲き誇っちゃってる。腕、丸太ぐらいある。

 

もしね、もし仮に「おはよ!よく眠れた?」なんて起こして「朝ご飯おしるこでいい?あ、ついでに席、倒してもいいかな?☆」なんて聞いたらね、多分こっちがはっ倒されるなと。それでいて、勝手に倒してるのがバレたら、背骨ごと前に押し戻されるなと。

 

要するに、これは詰んだな、と。もうね、真矢みきでも諦めるレベル。

 

しかしね、腰のやつが言うんですよ。「ねぇねぇお兄ちゃん、まだなの?」って。うんうん、わかってる。もうちょっといい子にしててね。ちょっと今、冷や汗ぬぐってるから。

 

普段1日12時間ぐらいパソコンの前に座ってるから、僕ちょっと腰がよくなくて。「いるよ!」って。「ここにいるよ!」ってアピールしてくる。「そうだね、いるね」って言うと「うん、いるよ!」ってキラキラっとした痛みで返事してくる。だから正直、東京までの3時間、この姿勢(直角)でいるのはキツいなと。

 

やっぱりね、巡り巡って、席、倒したい。バレないように倒さなきゃいけない。本当、腰には普段お世話になってる。「いつも、湯船の中で無駄に振ったりしてごめんね」って気持ちを、態度で示さなきゃいけないなと。

 

まぁそうなったら倒しますよ。僕も男ですよ。バレない程度に。寝てる間に。背もたれを倒すんだ!

 

そんなわけで、レバーをくいっとね、引いてみた。これで後ろに体重をかければ、背もたれは倒れる。でも、一気に倒すと、その瞬間に後ろの人が起きたらマズいことになるのは明白でしょ。だから目に見えない速度で。例え起きても、気がつかないようなペースで。かるーく、本当に軽く、小鳥を扱うように席を倒して行く。ちょっとずつ、本当にちょっとずつ。

 

2ミリぐらい倒れたところですかね、大阪に着きました。あれ?倒すの遅くね?何このペース。大丈夫?僕の中のメロス、道中ゲロ吐いてない?まぁ予想通りというか、後ろの人も大阪では降りてくれないわけで、まだこの珍道中は続くんですよ。

 

それで京都に着いた頃かな。倒せたのは7ミリぐらい。もうね、力の加減気にし過ぎて、背筋パンパンになっちゃってる。背中にビッシリ膝栗毛生えちゃってる。腰「お兄ちゃん、僕もう疲れちゃったよ」。わかってる。わかってるから黙ってろ。今それどころじゃないから。

 

でもね、名古屋に着くころには大分いい感じになってきて。もうね、ほんと後一押しって感じ。ただね、トンネルの中に入って、窓ガラスに映った自分を見て、ちょっと愕然としました。あれ?あたし今朝、顔にピーナッツバター塗りたくったかしらってぐらいテカテカだった。楽勝で800ワットぐらいはある。虫ぐらいなら騙せるレベル。

 

皆快適そうにしてるんですよ。そんな中で、一人だけ汗だく。ずっと背筋使ってっから。プルプルしてっから。「たらみ」からオファー来るんじゃないかってくらい、プルプルしてっから。

 

ほんとにねー、後ちょっとだったんだ。もうこれ以上は望まないってところまで来てたんだ。しかし、やっぱり人間、最後に欲を出すとダメですね。「あと、ちょっとだけ…」「まだいけるんじゃないか…」って。今思えば、あそこで止めとけばよかったんですけど。

 

「よっしゃぁ!ラスト1ミリ!」ってとこでね、急に後ろの怖い人がくしゃみしたんですよ。爆撃かと思うぐらいの轟音。突然のことに僕ね、もう、ビグゥッッッ!ってなって。思わず「おひゃい!」って。ビックリして、心臓止まるかと思ったもん。本当にね、シートベルトしてなかったら前に吹っ飛んでたね。だって、実際シートベルトなんてなかったから、ちゃんと前に吹っ飛んだし。

 

とりあえずね、席に座りなおして。ゼィゼィ言いながら。そしたらね、まだ心臓の鼓動がおさまらない僕を、そっと背もたれが支えてくれたんです。その暖かさに、思わず涙が出るかと思った。だから、心の中で背もたれにこう言ってやったんです。

 

「いや、お前完全に元の位置戻ってるよね」

 

…いや、マジでふざけるなと。ちょっとずつ、ちょっとずつ倒した背もたれが、また以前の直角に戻ってる。すごい圧迫感。前に吹っ飛ぶ瞬間、完全にレバーから手離し忘れた。グゥン!って戻って来た。いや、グゥン!じゃなくて。

 

新幹線は横浜に着きました。東京までは後少し。後ろの方も覚醒なさったご様子で、もう手の施しようがありません。「ねぇねぇお兄ちゃ」うるせぇぇえぇぇぇぇぇぇえ!もう無理です!もう無理なんですぅぅぅぅううぅっ!

 

僕ね、普段あんまり旅行とか行かないんですよ。友達もいないし。だから今回新幹線乗るの、正直楽しみにしてたんですよ。横浜から東京間。それは時間にすれば、大したことのないものかもしれません。でも、でもね。

 

横浜から東京間、僕、ずっとデッキで手の平に「とおりゃんせ」の歌詞書いて過ごしてた。まさか、こんな時間が訪れるとは思わなかった。

 

いや、だって何もしてないと涙が出そうで。もう自分の席にもいたくなくって。もっと色々楽しみ方あったと思うんだけど、ずっと「とおりゃんせ」の歌詞書いてた。うん、そう、黒のボールペン。心、折れた。新幹線、ちょっと嫌いになった。

 

でもまぁね、結果無事こうやって東京に帰って来れてよかったですよ。何もなくこうやって9月26日を迎えられてね…え?9月26日?…おいおい、こんなことってあるのかい?

 

すいません…今日、僕の誕生日でした。

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