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2011年10月

2011年10月23日 (日)

聞こえないの?聞こえないの

あの、あれですかね。タンポポでも詰まってるんですかね。我が家の住人はちょっと、揃いも揃って耳がよくないところがあって。それでいて人の話を最後までちゃんと聞かないところもあって。結構会話が成り立ってないときも多いんです。

 

まぁまぁ家族の会話ぐらいだったらね、「これはどうしても伝えておきたい!」なんてことも、そうそうないから。なんとなく聞いた気になって、それでいて、なんとなく間違えて。それでも、これといった支障はないんですけど。いざというとき、ちょっと困るなーと。

 

例えばお母さんね。昔僕が風邪引いたときに、「ポカリスエット買って来て」って頼んだんですよ。少しでも水分を摂ろうと思って。そしたらね、何を思ったか「おかきセット(亀田)」買って来てね。もうね、口ん中パッサパサ。あの状態だったら多分、お雑煮とかでも一気飲みできたと思う。初めてだけど、余裕でドモホルンリンクル売ってもらえたと思う。 

 

そんでもってお兄ちゃんね。お母さんに「あと牛乳と…あ!そうだ!覚えてたら、どっかでフォトフレームも買って来て!」って頼まれて、何か一生懸命メモしてたんですけど。で、そのメモ、チラッと見てみたんですけど。 

 

・ホウレンソウ
・マカロニ
・牛乳
ヨガフレイム

 

それ絶対ちげーから。そんな物騒なやつ頼まれてないから。ホント、隙を見せるとすぐダルシむから困る。

 

でもね、多分、みんな一生懸命なんです。聞き間違えたくて、聞き間違えてるわけじゃない。件のお母さんは、風邪を引いた僕が、おかきを欲してると思った。件のお兄ちゃんは、お母さんにお使いを頼まれて、頑張ってヨガフレイムを買ってこようとした。まぁちょっと考えればわかりそうなものなんですけどね。

 

そう。一番タチ悪いパターンなの。ポンコツなの、耳だけじゃないんだな、これが。

 

で、まぁそんな環境で育ったからと言いますか。僕もちょっとね、「ちゃんと話聞いてたの?」なんて怒られてしまうことが少なくなくて。「いやいや、ちゃんと聞いてましたよ」っつって。「じゃあさっきなんて言った?」って言われて。「…え、えっと?チンクル和尚のあったかコーンポタージュ?」っつって。「うん、もう出て行け」って言われて。何かそんな感じ。

 

それでね、最近ちょっと運動不足を解消しようと思って、夜中にジョギングしてるんですよ。別に大した距離じゃないんですけど。まぁまぁ、わかりやすくシャケで言うと大体5000匹分ぐらいかな(縦に並べて)。それぐらいの距離を走ってる最中にね、よく高校時代のことなんかを思い出したりするんです。

 

高校時代に、毎年体力測定があったんです。そしてその競技の中のひとつに、長距離走があった。僕はこの長距離走が大の苦手でしてねぇ。もうね、一週間前あたりからすっごい憂鬱。お母さんが、サボテンと本気で喧嘩してんの見たときぐらいテンション落ちる。そう、最近走ってると、当時のこの長距離走のことをよく思い出すんですよ。

 

別にね、長距離走のタイムが遅くたっていい。正直何も困らないと思う。でもね、体力測定だけは別。だってあれ、女子見てんだ。だって女子、運動できる男の子好きなんだ(運動ができない男の子はあんまりなんだ)。

 

当時の僕と言えば、ちょっと天然パーマをこじらせてましてね。まぁまぁ普通に学生生活送ってても、決してモテるタイプではなかったんです。だから、まぁこういうとこからコツコツ行かないとって。こういうところでポイント稼がないとって。簡単に言うとね、カッコいいとこ、見せたいぞと。 

 
 

でもね、あたくしったら何を隠そう帰宅部で。「運動はひとつもできませんが、レゴで平等院鳳凰堂が作れます!ありがとうございます!」ってな感じだったから。そりゃバリバリ部活やってる子なんかには、逆立ちしたって勝てないわけです。逆立ちすらできないわけです。

 
 

だから、この体力測定があるたびに、「これは何とかしないと…!」って思ってて。他の競技は一瞬で終わるからいい。でも、長距離走は違うと。遅いとさらし者になるぞと。だってその前年なんかね、タイムを記録してる先生に「ホラ斉藤何やってんだー!お前ビリになったら、けろけろケロッピのお箸入れ使ってること皆にバラすぞー!」って叫ばれて。いや、あんたそれはマジでやめとけと。そして、あんたすでにそれバラしてるぞと。まぁまぁ、とにかくいい思い出がないんです。


そしてあれは高校3年のとき。毎年タイムが悪いからね、陸上部の子にこっそり聞いてみたんです。どうしたらそんなに早く走れるの?って。そしたら…。

 

陸「2回吸って2回吐くと呼吸が楽になるよー」
僕「2回吸って?」
陸「吸って吸って吐いて吐いてって感じ」
僕「吸って吸って…」

 

あったなー。コツ、あった。これはいいこと聞いたぞ、と。もうね「ティッシュは1回に2枚以上使ってもいい」って聞いたとき以来の有益情報。これは制したわ。早くも長距離走制したわ。もうね、賞状、僕の名前入りで発注しといてって感じ。あ、「さいとう」の「さい」の字は、難しいほうの「齋」でお願いって感じ。

 

当日、曇り空の下。去年と同じようにスタートラインに立つ僕。でも、去年とは違います。今年の僕には、必殺の呼吸法がある。いや本当にねー、不思議と負ける気がしなかったんですよ。

 

女子が見てる。いや、もちろん僕のことなんて興味ないのはわかってます。でもね、このレースが終わったあとはどうだろう。もしかしたらそのとき、歴史は動いているんじゃないかと。 

 

合図と同時に走り出す同級生たち。ハナから飛ばす、あの陸上部。彼の勇姿を見て、僕は彼の言葉を頭の中で復唱しました。「2回吸って…」。うん。大丈夫、大丈夫。よし、行くぞ!

 

あ、それ!
ヒッヒッフー!
ヒッヒッフー!

 

周りを見渡してもね、こんな呼吸法してるのなんて誰もいないんです。それどころか周りのやつは、僕のことを訝しげな目で見てくる。僕は割と本気で思い出しましたね。「あぁ、天動説を唱えたコペルニクスも、きっとこんな気持ちだったんだろうな」って。「先駆者は、いつの時代でもそうなんだな」って。ヒッヒッフー!走る走る。ヒッヒッフー!そしてゴールを迎えたときのあの皆の視線、忘れらんないなー。

 

そうそう。それからしばらく、あだ名が「臨月」になったって話もしていい?

 

いや、先にゴールした陸上部が駆け寄ってくるから、おかしいなとは思ったの。そしたら「お前『ヒッヒッフー』じゃなくて『ヒッヒッフッフー』だから!」とかなんとか。ひどく笑いを堪えててね、なんかプスプス言ってた。

 

あぁ、と思ったね。あぁって。そりゃ周りも見るな、と。「あいつ、何かしら産むんじゃねーか」って。「あいつ、前世海亀なんじゃねーか」って。

 

俺、どうやらマラソンじゃなくて、出産してたっぽい。いや、完全に2回吸って1回吐いてた。THE・ラマーズ。結果?うん、後ろから2番目。え?僕より後ろ?よく知らないけど、皆から「ラーメン二郎」って呼ばれてるやつ。走り終わったあと、なんか体から湯気出てた。

 

まぁまぁそんなこともあったなと。今となっては良い思い出ですよ。なんか心んとこチクチクするけど。…するけど。そうそうそれでね、最近お父さんもジョギングも始めたんですよ。ただもう、世間的にはおじいちゃんの歳ですからね。そんなに速くは走れない。

 

だから僕、教えてあげたんです。「呼吸は、2回吸って2回吐くといいらしいよ」って。「ヒッヒッ、フッフッーだよ」って。あの時の陸上部の言葉。そしたら、ちゃんとメモとっててね。この歳で真剣に何かを始めるなんてエラいなーと思って。で、そのメモ、チラッと見てみたんですけど。

 

「呼吸は2回吸って、2回吸う

 

お前はダイソンかと。死ぬから、それ多分、死ぬから。そんな早くゴールしてどうすんだと。

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