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2012年1月21日 (土)

純情な感情

先日、高校時代の友人からお誘いを受けまして。「今、何人かでご飯食べてるんだけど、お前も来ない?」って電話が来たんです。ちょうど仕事も一段落してたところだったので、ワーイ☆と思って。行く行くー☆って。 

 

その子とは「今度ご飯でも行こうよー」ってことあるごとに言ってたんですどね、中々タイミングが合わず。何年かぶりの再会です。「あいつ変わったかなー」なんてワクワクしつつ、ちょっとだけ緊張もしつつ、電車に揺られること10数分。お店の前に着いて電話をすると、彼が入り口まで迎えに来てくれました。おー、Kくん!元気だったー!?久しぶりー!

 

K「…ごめん

えー!?いやいやーそんないきなり謝んなくていいよー!俺も久しぶりってことは、お前とて久しぶりってことじゃん!?なんつーか、そこはお互い様じゃん!?

K「いや、そうじゃなくて。その、ごめん

…えっと?あれー?俺が大人っぽくなり過ぎて、恐縮しちゃった?って違うかー(笑)

 

違った。本当に全然違った。

 

なんていうんですかね、Kくんに案内されるがまま通されたテーブルが、ことのほかシンミリしておりまして。他のテーブルと比べて、明らかに異質。あ、バスタオル湯船に落とすと、これぐらいズッシリするよねっていう空気感。聞くまでもなく、柔軟剤使ってない感じ。というか、えっと?一人泣いてない

 

うん、これは泣いてる(確認)。それも割と本気のやつ(黙認)。

 

K「お前何飲む?」
僕「え!?あ、うん、どうしよっかな…」

 

じゃ、じゃあ、とりあえずビールで!いや、でも、あれだよ?俺のこととかね、そんなに構ってくれなくていいよ?え、おつまみ?あ、大丈夫大丈夫。ご飯家で済ませてきたから。

 

K「あの、アナスイも来たことだし、一応乾杯すっか…」

 

いやいやいやいや。もう、本当、心から気にしてくれなくていい。ほら、乾杯とか、次会ったときでも全然いいし?何なら俺、乾杯も家で済ませて来たから大丈夫、みたいな?あの、遅れてきてこんなこと言うのもアレだけどさ、何て言うか、うん、そっち先済まそ?

 

Kくんの粋な計らいにより、乾杯を済ませるKくん、ユッピー(あだ名)、Wくん(泣いてる)、僕(泣きそう)の4人。あれ?ユッピー今「献杯」って言ったよね?絶対言ったよね?

 

もうね、ビールすごい勢いで飲んだ。とりあえず、早くこのテーブルの雰囲気に追いつこうと思って。K「次、どうする?」僕「えっと、じゃあこれで!」。お酒なんて何でもいい。ただ、お酒の力を借りたかった。

 

そしてここからは、全身全霊をもって、彼らが発する全ての情報を収集する作業に没頭しました。もうね、一言たりとも聞き逃さない。下町の聖徳太子。W君が何故泣いているのか-それを解き明かさない以上、このテーブルに未来はないなと。

 

【調査結果】

①Wくんが、好きな女の子に振られた(多分)。

②それで泣いてる(多分)。

 

よし、一生懸命励ましてるKくんとユッピーの言動から、そこまでは把握できた。うん、そっか。それは辛いでしょうに。大変だったね、Wくん。

 

W「でも俺、まだ諦められないんだよ!だって」

店員さん「お待たせしましたぁ、こちらレゲエパンチでぇっす

 

…いやごめん、マジでごめん。まさかこのタイミングで来るとは。しかも何か、俺すげー楽しそうなの頼んじゃってる。もうね、空気に押され押されて「じゃあこれで」って適当に頼んだけど、現状とてつもなく後悔。頭の中で、ボブ・マーリーが「呼んだ?」ってこっち見てる。

 

W「…だって、この前も2人で遊びに行ってさ」

 

仕切り直させて、本当にごめんなさい。何だろうこの、カラオケでサビ前に操作間違って消しちゃった感じ。「ご、ごめん!」って慌てて再送するけど、トーンダウンは否めない感じ。心から陳謝します。

 

その後も、Wくんが泣き、Kくんとユッピーが慰めるという構図は続きます。でもね、泣きたい時は、泣いたらいいと思うんだ。吐き出したいなら、吐き出せばいい。僕もね、何も言ってあげられないけども、話聞くだけならできるしさ。

 

K「それでアナスイはどう思う?」

 

やっぱり、いくつになっても失恋は辛いよね。それは泣きたくもなるよね。こう、胸のあたりがグってなってね。僕もね、何も言ってあげられないけども、話聞くだけなら…え?

 

K「いや、アナスイはどう思う?まだ脈あるかね?」

 

何が?医学の話?

 

K「諦めた方がいいか、諦めない方がいいか」

 

あ、やっぱりそっち?10対0でそうだとは思ったんだけど。

 

W「まだ可能性ゼロじゃないかな…?」

 

諦めるか、諦めないかね。そっか、なるほどね。うん。

 

僕もね、割と出会いとかは大事にする方。「一期一会」っていう言葉もね、素敵だなぁと思うよ。ただ、一個。一個だけ聞かせてもらってもいいかな?本当、この期に及んでこんなことを聞くのも、申し訳ない限りなんだけど。

 

ごめんなさい。まずそのWくん?は、どちら様ですか?

 

Kくんとかユッピーが「Wが〜、Wの〜」っていうから、多分Wくんなんだろうなぁとは思ってた。ただ、ちょっとそれ意外の情報が入ってこない、というか。友人にまでしか公開してない、というか。え?どっかで会ったことある?

 

Wくん「あ、はじめまして」

 

ですよねー。違う出会い方してたら、お互いもう少し早くそんな挨拶もできたんですけど。まぁまぁこういうのは、気持ちが大事だから。

 

もうね、俄然初対面なわけ。Kくんとユッピーは、高校卒業後、同じ大学に進みました。そして、そこで知り合ったのが、Wくんだったと。そんな紹介を受けまして。ふーん、そうなんだぁ、と。

 

K「うん。………」

 

え?え?えー?何その、明らかに何かを待ってる感じの沈黙。さぁ俺は言うこと言ったけど?みたいな。次はお前のターンだよ?みたいな。

 

えっと。本当にそれ、俺が答えるの?それって、結構大事なやつじゃないの?俺、その好きな子どころか、本人のこともろくろく知らないのに?

 

いや、それはちょっと待てと。まぁまぁ、僕もそこそこの大人ですけれども。やっぱり出会ったその日にっていうのは、ちょっと急過ぎるというか。もうちょっとムードを大事にしたいところも、無くは無いと言うか。まぁ要するに、おうちに帰りたいと。

 

K「W、こいつライターだからさ

 

だから何ー!!!ねぇ、やめて。「ほら、早く言葉を自在に操ってくださいよ兄さん」みたいな目、マジでやめて。俺、本当売れてないから。お前らが思ってるよりずっとだから。

 

あの、人の愚痴とかね、悩みとかね、そういうのを聞くのは、割と嫌いじゃないんです。「話聞いてもらえただけでも、楽になったよー!」とかね、そういう地蔵役でよければ、割とドラフト3位ぐらいで指名される素質持ってるんです。

 

ただこう、期待されると滅法弱いというか。要するに「ねぇ、お前はどう思う?」とか聞かれちゃうと、「あれ?ここ東京駅かな?」ってぐらい迷子になる。 「俺はそれでいいと思うよ。でもね、逆に言えば、俺はそれじゃダメだと思う」。もうね、ひたすら構内を行ったり来たり。「つまり言いたいのは、シャケなのかサケなのかってことでしょ」。最終的には、いつも間違えて京葉線に乗ってる。

 

ただでさえね、そうなのに。その上ね、今夜のお相手は知らない殿方。何なら遅れてきてて、いまだ雰囲気に溶け込めてない。えっと、これって数え役満じゃない?不利な条件集まり過ぎて、鼻からシェンロン出てきそう。

 

これがね、「林家ぺーの『ぺー』は、平仮名なのかカタカナなのか」とかって悩みならね、僕だって気軽に答える。でもさ、今回ずいぶん様相違うじゃん。割と「今後」とかに絡んでくるやつじゃん。それはあーた、ちょっと厳しいんじゃなくて?

 

K「…」

 

あ、そう。通じない、と。いいから何か言え、と。やばい、血管キューッてなってきた。

 

Wくんは、ずっとその人が好きだった。その人といると、いつも楽しかった。でも、振られた。諦めるか、諦めないか。集めた情報を、グルグルと脳内で回す。脳内をフル回転する。口の中がカラカラになるが、頼みのレゲェパンチはもう空だ。…うん、僕もね、そんな経験あるよ。ライターではなく、一人の男として。彼に伝えたいこと。

 

僕「…Wくんにとってその人は、光、だったんですよね?」

 

Wくんにとって、その人がいかに大切な人だったかを、もう一度確認して欲しい。その上で、答えを出すのは、あなた自身だと。絶対にそうするべきだと。僕は、そう伝えたかった。

 

W「え?」
僕「Wくんにとってその人は、希望、だったんですよね?」

 

それは、不思議な感覚でした。最初の言葉を紡ぐと、それ以降の言葉が、次々と脳内に浮かんでくる。あ、これが神様が降りてくるってこと?その時は、本気でそんな風に思いました。

 

W「うん、まぁ、そうだね」
僕「Wくんにとってその人は、ふれ合いの心」

 

ふ、ふれあいのこころ?

 

W「ふれ合いの心?」
僕「幸せの…あ…」
K「青い雲ー」
K・ユッピー・W・僕「青雲〜♪

 

違う。聞いてくれ。本当に、僕は本気でWくんの行く末を考えてたんだ。自分でも、「ふれあいの心」あたりから、何かがおかしいとは思ってた。幸せの青い雲ではもう、確信もしてたよ。でも、止まらなかった。本当は、そんなことが言いたかったんじゃない。ただ、ただ僕は、その人がWくんにとって、どれだけ大切かって。それだけを。伝えたくて。だから、決してふざけたわけじゃないんだけど…も?

 

K「…お前いい加減にしろよ…」

 

だって!だって皆が追いつめるから!ライターで〜とかって言うから!何か言わなきゃと思って…ほら、見て!いつの間にかWくんも泣き止んでるし!…ダメ?

 

もうね、その後、一生発言権もらえなかった。「違うんだ、本当にそうじゃないんだ…」って、一人でずっと呟いてた。遅れていったのに、お金ちょっと多めに払った。「はい」って言って、払った。

 

〜後日談〜

結局諦めきれなかったWくんは、その後、好きだった例の子に再アタック。なんと昨年の12月頭から、付き合うことになったようです。それを聞いた時は、何て言うか、もう色んな意味で泣きそうでした。

【1日1回↓の緑(blog Ranking)をクリックして欲しいんですけど。いかがでしょう?】

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コメント

つまり、諦めたらそこで試合終了ですよってことですか?

投稿: ゆ | 2012年1月21日 (土) 23時21分

うん。正しかった、正しかったんですよ。
ただね、少しだけね、タイミングが、ずれただけだから。
結果オーライ!

うん。

投稿: じゅぱりん | 2012年1月21日 (土) 23時38分

3分の1も伝わらなかったんですね(笑)

投稿: ロビーニョ | 2012年1月22日 (日) 13時31分

キター!!!!
アナスイさんがツイッターでブログの件、呟いた瞬間アクセスしてます*笑*
今回も抱腹でした。
電車で見てて明らかに変態でした*笑*

投稿: はなたれパンダ | 2012年1月22日 (日) 15時12分

ほんとに、パソコン見て声出して笑うことって滅多にないんですけど。もう、頭の中で連凧飛んでましたempty

投稿: ぼんまっち | 2012年1月23日 (月) 13時06分

はじめまして☆いつも楽しく見ています(^^)
今回もめっっっちゃ面白い!笑いが抑えられません~

個人的におすすめの面白いブログを紹介します☆
(もうご存知かもしれませんが・・・)
「僕の見た秩序。」(ヨシナガさん)と、
「ろじっくぱらだいす」(ワタナベさん)です。
良かったらご覧になってください(*^^*)

投稿: ねず美 | 2012年1月27日 (金) 18時58分

旦那はんと喧嘩して・・・

もーすっっごい重苦しい空気のなか

リビングのPCで、これ読んで肩を震わせました。


ひょっとしたら、泣いてるって思われたかもしれない。


星雲~~~~♪catface

笑ってるのバレてコレをきっかけに

夫婦関係が破たんしたら アナスイさん
責任とって、私を貰って下さい。

いや。むしろそーしたいくらいfanです。

投稿: amatou. | 2012年2月 6日 (月) 21時43分

初めまして !

英語の教科書のコラム?を
読んでたどりつきました。 !

ツイッターフォロー
させて頂きます!*゜

wさんよかったです (*^^*)!

投稿: 革細工 | 2012年3月 7日 (水) 18時04分

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