戦場に赴くあなたへ贈る詩
戦うの?
一体何が欲しいと言うの?
僕には教えてくれないの?
少しぐらいは恩返しもしたいのに。
行ってしまうの?
帰ってこれるの?
どこに行くの?
明らかな臨戦態勢。いつものあなたの笑顔なのに。
明らかな戦闘準備。いつものあなたの匂いなのに。
いつも通りの朝なのに。
例えば仕事が戦いだと言うのなら。それはそれでいいのだけれど。
本当に行くの?
思い直してはくれないの?
僕の言葉は届かない。僕の思いは届かない。
突然のことだった。その姿を見て僕は言う。「マジで?え?どこ行くの?」
それに対してあなたは言う。「仕事よ。ごめんね、もう時間ないから」
あぁ、時間よ止まれ。
「行ってきます」なんて言わないで。どうやったら止められる?
僕の不安そうな顔を見て、「別にいつも通りだよ」って。そんなのどうやったら理解できる?
あなたを止めたいのは、それはたぶん愛情なんかではなくて。たぶん僕自身を守るためで。それはとても勝手な思いかもしれないけれど。でも、今あなたを行かせてしまったら僕はきっと後悔するから。この街で、胸を張って生きていけなくなってしまうから。
例えば仕事が戦いだと言うのなら。でも今のあなたはそうじゃない。
例えば戦いが仕事だと言うのなら。それはなんという説得力だろう。
あなたは、行ってしまう。玄関のドアが閉まる音が寂しく響く。
先日実家に帰ったときのこと。うちのババァが迷彩服を着てました。
誰でもいい。頼む、誰かこの人を止めてくれ。
紛れて隠れて何を待つ。潜んで潜って何を撃つ。
戦場に咲いた一輪の華。
そんなあなたが好きな花は、きっとたぶんカーネーション。
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